もう一度ひとつに 連載10年最終回「HKT48月イチ報告」㊤
2013年5月に西日本スポーツ紙面からスタートした連載「HKT48の月イチ活動報告」は10周年を迎え、ここで「一区切り」とさせていただくことになりました。最後は歴代キャプテンの「最後の1期生」本村碧唯(25)、3期生の山下エミリー(24)、ドラフト2期生の松岡はな(23)、4期生の豊永阿紀(23)が、グループに訪れている変化や本村の卒業が与える影響などについて語り合いました。3回に分けて報告します。(古川泰裕)
卒業控える本村「きっと大丈夫」
-本村さんの卒業コンサートが7月17日に福岡サンパレスで行われ、オリジナルメンバーが全て卒業する。グループにとって大きな節目となりそうだ。
松岡「HKT48は、長い間1期生さんが現役だったので、想像がつかない。最近はイベントでも(本村が)いないことが多くなり、寂しい」
豊永「(1期生たちが)つくってきたものを自分たちも頑張って表現しなきゃと思ってやってきた。『不安だ不安だ』と言うのは1期生さんたちと過ごした時間を無駄にする気がするので、無理やり『自信あります』って言うようにしようと思いました」
本村「さしこちゃん(指原莉乃)が卒業したとき『やばい』と思いながらやっていたけど、おのおのが考えて、穴を埋めようとして、どうにかみんなで前に進もうとしていけた。きっと大丈夫」
-3期生の山下さんはどう思っていますか。
山下「1人でやるのではなく、もう一度、団体でやっていけたらいいのかなって。初期のときは、みんな同じ方向を向いていた。何か目標があったわけではないけど、みんな一緒だったと思う。今はちょっと、寂しく感じます」
本村「やれることも、やりたいことも増えてきたからね」
松岡「みんな大人になったし」
本村「この子は歌、この子は演技とか、そういうのが明確に見えてきたからこそ、一つにはなりにくいのかもしれないけど」
「どうにかしなきゃ」の気持ちで
豊永「グループが上り調子だったときは『次はここに』『次はこうしたい』とか、分かりやすかったけど、今はいろいろな方向にかじを切れる分、それも難しいのかなと思うことは多い」「さしさん(指原)が卒業した後は、みんなでどうにか『HKT48という船を進ませよう』という気持ちがそろっていた。その後すぐコロナ禍になってしまって、どうしたらいいか分からなくなってしまったけど…。『どうにかしなきゃ』の気持ちで、ひとつになっていくビジョンというか。そうしなきゃいけない、とは感じています」
本村「(自分の卒業は)そんなに、大きな節目じゃないと思うんだけどね」
山下「いや、大きい。スタッフさんも感じていると思う。誰もが口にするじゃん。『碧唯がいなくなるのが』って」
松岡「付き合いの長いスタッフさんも多いから」
本村「そうね。初期のころから一緒にやってきた方も多い」
山下「泣いちゃうよ、みんな。小さかった『あおいしゃん』が巣立っていくんだから」
豊永「私たちにとっては、すごく大きいですよ」
山下「先輩がいないから甘えられないし、ずっと後輩のことを育ててくれた」
松岡「本当に。なんか凄いっす」
本村「言葉足らずすぎやろ(笑)」
卒コンセットリスト「8割決まった」
ー本村さんの卒業コンサートに向け、カウントダウンが始まった。
松岡「最近、もう全部が寂しい。『博多どんたく港まつり』のステージで『君はもっとできる』をセンターでやっていたけど、それだけで涙が出そうでした」
本村「最後のどんたくだったからね」
松岡「卒業の当日は会場にいる全員が泣きそう」
本村「泣かせられるように頑張らなきゃ」
-コンサートの準備はどうですか。
本村「セットリストは8割方決まりました」
松岡「怖いです。ガンガンに踊っている風景しか思い浮かばない」
本村「私も頑張らないといけない場面が、いっぱいあるから」
豊永「うちらは、もっと頑張らないといけないね」
松岡「でも達成感もすごそう」
-HKT48在籍の1期生としては最後。
本村「最初から歴史を語れるのは、私しかいなくなっちゃった。そういうものも見せられるような感じになったらいいなと思います。こんなことあったなって、思い出しながら見てほしい」
豊永「後からファンになった人たちも、改めて最初のHKT48を知る機会になるというか」
本村「『こんな曲もやっていたんだ』とかね」
豊永「そういう温度感を表現できるように」